子どもが風邪などの病気に掛かると、保育園では預かってもらうことができません。しかし、親がどうしても仕事を休めない時に子どもを預かってくれるのが病児・病後児保育施設です。子どもが病気の度に会社を休むわけにいかないという環境の保護者からすると最後の砦のような存在であり、切実な問題です。

中京区では、足立病院と市立病院に併設されており、市内で6施設あります。しかし、私も自分の子どもを預けるために予約の電話をしたことがありますが、7人や8人のキャンセル待ちは当たり前の状況です。また、中京区は東西に1ヶ所ずつあり、まだ恵まれていますが、丸太町通りより北には1つもないなど地域偏在も大きな問題です。

そこで、以前から議会でも病児保育の拡充を求める意見は相次いでおります。今回も、府立医大病院に新設されることが決まり、丸太町より北ではじめて設置されます。前には進んでいるが、まだまだ足りないということで、議会で何が原因なのか、どうしていくべきなのかを質疑しました。

先ず、京都市の病児保育って他都市と比べてどうなんだろうと思い、調査したところ非常に残念な結果でした。平成27年度実績で、京都市は7施設あり年間の延べ利用者数は3,584人です。人口がほぼ同規模の福岡市は18施設27,250人、神戸市は14施設13,560人。人口規模の小さい広島市が14施設15,998人、新潟市で9施設11,157人となっています。大阪市は規模は大きいですが、34施設もあります。まさに桁が一桁違い、京都市が病児保育施策で極めて遅れてしまっていることがわかりました。

では、理由はどこにあるのでしょうか。京都市は市立病院や洛和会音羽病院、京都医療センターなど大きな病院の併設の施設しかありません。質疑の中で、京都市としては病院併設にはこだわっているが病院の規模にはこだわっていないということがわかりました。その上で、中小の病院や診療所には依頼をしているが参入してくれない現実があります。病児保育は、繁忙期と閑散期の差が大きく稼働率が安定しないこともあり、採算の面で懸念があるからです。行政からの補助金は全国一律の基準のようなものがありますが、大阪市などは独自設定をして施設確保に成功しています。今回、大阪の事例を挙げ、京都市も補助金の見直しをするように求めています。大阪の事例であれば、1施設あたり上限で250万円ほどの増額になります。もちろん小さな金額ではありません。しかし、市全体で数千万円~1億円規模の予算でこの問題が解決するなら他を削ってでも投資すべきであると考えます。