維新・京都・国民市会議員団は、議第12号令和6年度市立病院機構病院事業債特別会計歳入歳出決算に認定するとの態度を表明しておりますので、会派を代表して討論致します。
令和6年度の独立行政法人京都市立病院機構の決算は、14.4億円の赤字となり、純資産はわずか600万円となりました。また、決算時点での流動資産が約45億円に対して流動負債が約60億円と、極めて厳しい財務状況です。
令和7年度の同予算でも22億円の赤字見込みであり、資金計画に至っては令和7年度末に繰り越すキャッシュが0円で、資金繰りが行き詰まることは予見可能であったはずです。当局は、期中にキャッシュが枯渇すれば、銀行からの短期借入金で補えるという判断であったと答弁しておりましたが、実態は、金融機関からの借入金を上限いっぱいまで借りた上で更に一般会計から20億円もの短期貸付を行うに至りました。改めて、当初予算の段階から何らかの手立てを打たなかったことは、本市及び市立病院の怠慢であったことを指摘しておきます。
また、本市は、過日の補正予算によりコンサルタントと契約し、経営改善計画を立てた上で、新たな病院事業債の発行により資金調達することを見込んでいます。その最有力が、総務省が本年4月に通知を発出した経営改善推進事業の病院事業債です。明らかに厳しい資金繰りを踏まえると、この4月段階から早期の病院事業債発行に向けた動きをすべきであったことも重ねて指摘致します。
市立病院は、公的病院であることから不採算が想定される多くの政策医療を担っています。これらは、赤字であっても維持すべきものでありますが、既に赤字部分は地方交付税を原資に一般会計から繰出しが行われており、常に収支が一致し赤字がでないように運用されています。つまり、市立病院の赤字は政策医療による負担が要因ではありません。
赤字の主な要因は、病床利用率が想定より低いことによる収入減、物価高を背景とした材料費及び人件費の高騰、そして、一般経費の一部に非効率なものがあることです。
病床利用率に関しては、既に改善のための取組みが行われておりますが、今後は、診療科目の取捨選択による対応が想定されます。一方で、市立病院は、本市の西部の医療を支える要でもあることから、効率化一辺倒にならないようにお願いします。また、私は市立病院のある朱七学区が地元ですが、待ち時間の長さや接遇面の悪さなどの悪い評判を聞くことが度々あります。これらの点にも課題がないか内部でも再度確認頂き、改善すべき点は改善いただくよう求めます。
非効率な経費に関しては、早急に改善していただきたいですが、物価高を背景とした材料費や人件費の高騰は、病院単体では改善が厳しい課題です。国への更なる財政支援を求めていくとともに、本市からの別途の繰出しも選択肢として検討しなければなりません。
総括質疑では、京大病院や府立医大付属病院、日赤病院などと役割分担をしながら医療提供していくという趣旨の答弁もありましたが、前述の通り、市立病院の立地が担う役割も踏まえ、市民への医療サービスの低下が起こらないよう最大限の努力を求めます。
以上で討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。


