国も京都市も2050年カーボンニュートラル(CO2等の温室効果ガス排出量の実質ゼロ)に向けて、太陽光発電の普及に力を入れています。
京都府と京都市が共同で行っている『ゼロ円ソーラー』は、初期費用ゼロ円でソーラーパネルの設置ができますし、京都市が独自で行う『みんなのおうちに太陽光』では、共同購入による値引きにより定価より安くソーラーパネルの設置が可能です。
更には、『京都再エネクラブ』という仕組みがあり、太陽光で発電した電気を自宅で消費される場合、設置時に20万円相当の、その後は発電・消費量に応じて『さんさんポイント』をもらうことができます。『さんさんポイント』は、地域の加盟店で買い物などに利用できます。
一方で、太陽光発電は、実は環境に良くないという意見も根強くあります。それは、発電時は確かにCO2排出量が少ないが、ソーラーパネルを生産する時や廃棄する時にCO2や有害物質を排出することや、特にメガソーラーを設置する際に山を切り開いて設置するなど自然破壊が行われており、本末転倒なことが行われているからです。
そんな中、今危惧されているのが、2030年代に入ると「ソーラーパネルの大廃棄時代」を迎えるということです。ソーラーパネルの寿命は約20年であり、FIT(太陽光発電電気の固定買取制度)が始まったのが2012年ですから、耐用年数を過ぎたソーラーパネルの廃棄が順次出てくるわけです。
FITが認定事業者に対しては、今年から廃棄費用の積み立てを義務化するなど、不法投棄を防止する動きが国でも始まりました。不法投棄は言語道断ですが、不法でなくても環境によくない廃棄が行われる懸念は非常に強くあります。
この分野も日進月歩で技術革新が進んでおり、素材を分解してリサイクルすることができる事業者も出てきております。大廃棄時代を迎えるまでの約10年の間に、技術の向上や法整備ももちろんですが、市民一人一人のソーラーパネルの廃棄に関する知識と意識を高めていくことが大切です。