これまで、少子化が進む中でも、共働き家庭が増え続けることで、保育園の利用を希望する児童は増え続けていましたので、待機児童を生まないようにと、施設整備や保育士の確保をはじめ待機児童対策を最優先に行ってきました。

しかし、令和元年(平成31年)をピークに、保育園の利用を希望する児童が減少に転じ、大きく局面が変わってきました。地域によっては、まだ希望の保育園に入りにくく、潜在的対児童と言われる実質の待機児童もおられますが、地域によっては定員割れの保育園も増えてきています。

定員割れの保育園の今後の経営状況を心配する声も上がり始めていますが、私は、次のステージに進む機会だと前向きに捉えています。これまで、待機児童対策を最優先にする中で、対応が後回しになっていた課題がいくつもありますが、施設的にも人員的にも余裕が出る分、これらの課題に取り組んでいけるからです。もちろん、この財政難の中ですので、予算の制約はありますが、子育て世代・現役世代の転入施策は最優先ですので、戦略的に予算配分をしていくことが求められる分野です。

例えば、保育士の先生達の勤務時間が長く、休みも少ないなどの働く環境に関する課題もありました。また、京都市はどちらかというと進んでいる方ですが、それでも医療的ケア児や障害児への保育もまだまだ十分とは言えません。急な需要が発生する一時保育や病児保育などもまだまだ改善しなければいけません。

そんな中で、私が1番課題に感じていることが「幼児教育」です。様々な研究からもより早い時期での教育がその後の人格形成・能力開発に影響を与えるということがわかっています。一方で、一般的に保護者の就労形態により、幼稚園か保育園かが分かれ、教育内容も異なります。また、特に保育園は園ごとの差が大きいのも課題です。

幼児教育・保育料が無償化になった今、幼稚園か保育園かに関わらず、「幼児保育」は基準を決めて質を担保していく必要があります。

9月市会では、待機児童対策に一定の区切りがつく中、保育園・幼稚園の子ども達にとって、次はどこを注力すべきか、決算委員会の市長総括質疑で市長に意見をぶつけました。