MICEの核である国際会議の統計(2025年実績)が公表されました。

 MICE参加者には、企業幹部や国際研究者など社会的影響力の高い層が多く、国際会議を通じて人的ネットワークの形成、研究レベルの向上、イノベーションの土壌づくりが進みます。その結果として、都市の競争力強化や地方創生にも大きく寄与します。

 さらに、MICEはオーバーツーリズムに直面する京都にとって、「混雑の平準化」と「高付加価値化」の両方に貢献しうる点で重要です。

 平日開催が中心で、会場や時間帯をある程度コントロールできるため、ピーク時期を避けた誘致や、混雑エリア以外の会場・宿泊地の活用がしやすいのです。また、「学びと交流」が主目的であるため、「特定エリア・特定時間帯に集中しがちな一般観光客」とは動き方そのものが異なります。

 加えて、MICE来訪者は「少人数・高単価」の傾向が強く、人数を追い求めなくても京都経済にもたらす効果は大きいのです。

 2025年の実績を見ると、京都市域で開催された国際会議は244件で、前年度比113.5%とコロナ以降で最高水準まで回復しました。国内ランキングでも東京に次ぐ2位を維持し、大型の医学・科学系国際会議も多数開催されるなど、都市ブランドや研究ネットワークの面では確かな成果が出ています。

 一方で、コロナ前の2019年(383件)と比べると、依然として63.7%の水準にとどまります。また、ICCA世界ランキングでは京都は46位まで後退しており(前年42位、2019年35位)、国際都市間競争のなかでプレゼンスが相対的に低下しつつあることも否めません。

 京都が今後も世界から選ばれ続けるためには、「どのような国際会議を、どのような価値とともに京都に呼び込むのか」という戦略を、改めて設計し直すことが不可欠です。