菅内閣では、こども庁創設の議論が進んでおります。子ども達に関わる行政は、保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省、認定こども園は内閣府と所管がバラバラです。こども庁創設で、この行政の縦割りを打破できるかが注目されています。

京都市も数年前に「子ども若者はぐくみ局」という組織を新設しました。しかし、その際に、京都市教育委員会は市立幼稚園の所管を手放さず、結局、子どもに関する事業を一元化すると謳いながら、縦割り行政が継続してしまっています。

市立幼稚園の所管を子ども若者はぐくみ局に移管すべきと委員会でも指摘しましたが、幼稚園で行う教育は学校と連携しないと出来ない特別なものというのが教育委員会の答弁。一方、保育園を管轄していた保健福祉局は、保育園での就学前教育は幼稚園と同等レベルのものができていると言います。今や、保育園に通う子どもがマジョリティになり、保育に留まらず就学前教育を各園が提供する中、幼稚園だけ特別扱いする必要は感じません。仮に、幼稚園の教育が優れているなら、京都市としては、保育園にもそのノウハウを伝えるべきではないでしょうか。

それ以外にも、京都市の市立幼稚園は、認定こども園化することを頑なに拒否したり、小規模保育園からの移行の壁になる2年保育の園が未だに残っていたりするなど、教育委員会の中でガラパゴス化しています。教育委員会のこのような姿勢が、京都市の「幼保一元化」が進まない原因です。

幼稚園であろうが保育園であろうが認定こども園であろうが、園の形式に関係なく、保護者が預けやすく、子ども達が最良の就学前教育を公平に受けられるようにすることが優先事項です。

霞ヶ関の省庁や京都市の局の陣取り合戦は、組織のエゴ以外の何者でもありません。情けない話ですが、京都市単独で変革できない中、国のこども庁創設の動きには期待をしたいと思います。