小水力発電とは、河川や上下水道などを流れる水のエネルギーで水車をまわし発電するもののうち、出力10,000KW以下の小規模の発電設備を言います。発電量は多くありませんが、元々ある水の流れを利用しますので、CO2を出さずクリーンなエネルギーです。

京都市も、石田水環境保全センターで処理水の放流水位落差を利用した小水力発電を実施しています。しかし、一昨年の委員会でも質問しましたが、採算が全くとれておらず赤字だということでした。

京都市のすぐ近隣の長岡京市で、市の負担ゼロで小水力発電が導入されていることがわかったため、視察に行ってきました。

長岡京市では、ダイキンの子会社のDK-Powerという会社が、発電機の設置と維持管理を負担し、逆に、市には施設使用料(水道管に取り付けるので)や売電収入の一部を払ってくれるというスキームです。

採算を取るのが難しいと言われている小水力発電でどのようなカラクリかと思っていたのですが、話を聞くと2点に集約されます。

1点は、DK-Powerの発電機が画期的にこれまでの発電機に比べて発電効率が良いということ。もう1つは、FIT(固定価格買取制度)がkWhあたり34円(20年間固定)と、とんでもなく高いものが適用されていることでした。太陽光発電のFITが2022年現在でkWhあたり約10円ですので約3倍です。小水力発電もFIT適用には要件がいくつも必要ですが、DK-Powerは、この事業を専門にしているので、ここをクリアすることができる強みがあるようです。

京都市でも同様の取り組みができるかという点では、基本的には、採算の観点から2つのことをクリアできれば可能です。1つは、水量や有効な水位落差があり十分な発電ができる条件の立地があるかということ、もう1つは、FITは今後下がっていくことが想定されているため、導入時点で採算が取れる立地のものがあるかということです。

長岡京市では既に導入済みですが、FITが34円の条件でも2か所しか該当する立地がなかったということですので、京都市もFITが下がらない間に素早く検討する必要があります。