人口減少・高齢化が更に進む今後の日本では、福祉に掛かるお金は増え続けることは社会構造上さけられません。もちろん、京都市も同様であり、現時点で既にかなり苦しい財政状況ですが、ますます厳しい状況になります。

そんな状況ですので、公共施設も本当に必要なものを除いては、出来るだけ新規建設をしないことが求められますが、老朽化した施設の建て替えや合理化のための施設の合築などの一定の公共工事は発生します。行政の手法も進化しており、民間資金を活用することで、税金からの支出をできる限り抑える事例が多く出ています。

東京の豊島区役所は、全く税金を使わずに区庁舎の建て替えを行った成功事例として有名です。そのやり方は、49階建てのビルを建て、1~2階を商業施設、3~9階を区庁舎、11階より上を分譲マンションの複合施設にし、商業施設や分譲マンションから発生する利益を建設費に充当するのです。この一連の企画や建設に掛かる資金調達も一括で民間に委託をし、行政側は一切税金を支出せずに建て直しができたという訳です。

実は、京都市でもこういった手法は既に取り入れられています。中京区で言うと、御池中学校の御池通り沿いの1階がテナントになっているのもその一例です。直近では、水道局の拠点の上層階をオフィスビルにする建設計画もあります。

今までの「公は公、民は民」しという既成概念を取り払えば、建設分野でももっと新しいやり方もあるでしょうし、建設以外の分野でも応用できます。人口減少・高齢化社会の厳しい社会構造では、こういった知恵を出した行政運営が求められていると私は考えます。