議339号持続可能な行財政の運営の推進に関する条例案に対し修正案を提案致しますので、提案説明を行います。

持続可能な行財政の運営の推進に関する条例案は、我が会派を含め、複数の会派が議会でもその必要性を議論してきたものであります。本市は、過去21年間に渡り、収支不均衡の予算を組み続けてきたことにより、門川市長が「このままでは財政破綻しかねない」と発言するに至り、大きな市民負担を伴う行財政改革を行うとともに、将来にまわしてきたツケを今後数十年に渡り負担していかなければいけないことは、ご存じの通りの状況です。

再び、このような事態に陥らないように本条例を制定しようとしているわけですが、不十分な点が2点ございます。

1点目は、財政調整基金に関する記載が一切ないことです。令和元年に財政調整基金を使い切り、政令指定都市で唯一財政調整基金が1円もないというタイミングで、コロナ禍に突入し、国からの支援が決まるまでの初期段階で、他都市が矢継ぎ早に施策を打つ中、機動的な財政出動ができず、市民・事業者の皆様に大変ご迷惑をお掛けしてしまいました。

この反省に立ってか、その後、時限的な職員給与カットにより捻出した50億円を財政調整基金に積み立てることができました。市長は、50億円の積立があるから条例に記載する必要がないと考えているようですが、財政調整基金が枯渇した令和元年の前年の平成30年の決算時点では35億円の残高があったにも関わらず、取崩しをして件の状況に陥ったことの反省はあるのでしょうか。現時点で残高があることと、今後も残高があることは同義ではなく、それを担保するのが本条例の役割ではないでしょうか。

財政調整基金を積み立てること自体が目的化することは、我が会派も望むところではありません。積立目標金額を条例に記載しろということでもありません。特別の財源対策の状況と同様に財政調整基金の積立て及び処分の状況についても配慮すると明言すべきではないかと提案するものであります。

もう1点は、本条例を体現する具体的な内容は「持続可能な行財政の運営の推進に関する計画」に定めるとしながらも、条例施行時点では、令和3年8月に策定された行財政改革計画をこの計画とするという経過措置を設けていることです。行財政改革計画は、想定より税収が落ち込まなかったことをはじめ、その策定時とは大きく状況がかわっております。

令和5年度予算で収支均衡を達成した現下で、市民が最も知りたいことは、来年・再来年も収支均衡を継続できるのか、その数字的根拠があるのか、また過去の負債である公債償還基金の復元は本当にできるのかということです。

行財政改革計画は、令和7年度末までの計画でありますから、丸々2年間の空白期間が生まれることとなります。市長総括質疑では、コロコロ計画を変えるべきではないと答弁していましたが、以前の京プランの計画期間であっても、中期財政見通しは毎年見直しがされており、今後の中期財政見通しを明示しない理由にはなっていません。

また、行財政改革期間は、令和7年度までとしながらも、集中改革期間は令和5年までであり、今回の予算をもって過去の総括も可能であります。改革のモラトリアム期間が生まれないよう、早急に次の計画や中期財政見通しの作成を求めるものであります。

本市が本当に意味で財政健全化を達成し、今後二度と同じ轍を踏まないために、修正案を提案するものです。他会派の先輩・同僚議員の皆様のご賛同を求めて、提案説明とします。ご清聴誠に有難うございました。