議会は、市長の示す政策、つまり予算を含む議案を審議して賛否を決めることが最も大切な仕事の1つです。しかし、私が市会議員に当選してから4年間、予算や議案が否決されたことは一度もありません。更に言えば、もっと遡っても十年、二十年は否決されていません。

では、市長の政策が完璧かと言うと、私はそうは思えません。政策の善し悪しよりも、議会での立ち位置で賛否が決まっているように感じます。具体的には、市長選挙で支持した政党(自民・公明・旧民主系)は「与党」となって、すべての議案に賛成するのです。結果、常にすべての議案が賛成多数で可決します。自ら議会を機能不全にしているわけです。

しかし、国会と違い地方議会には、本来、「与党」や「野党」という概念はありません。国会は、最大会派から総理大臣を選出しますので当然「与党」という概念が制度上うまれます。しかし、地方議会は二元代表制で、市長は直接選挙で選ばれますので、「与野党」はなく、議会全体で市長をチェックするというのが本来の姿です。

市長選挙直後の本会議で、市長自身が「与党会派の皆さんの支援を感謝する」旨の発言をしていることからも、市長側にも同じ意識があり、極めて根が深い問題です。もちろん、市長の政策に何でもかんでも反対するということは、問題です。しかし、予算や議案をしっかり審議し、議案ごとに賛否をしっかり出していくということが必要です。