観光が好調なこともあり、京都市バスの決算は10億円弱の黒字で推移しています。しかし2019年~2028年の10年間の中期計画では現在の乗客数が横ばいであれば、2021年に赤字転換し、以降は2028年迄ずっと赤字が続きます。車両や設備の更新にコストがかさむ為です。交通局は、現在368,000人/日の乗客数に19,000千人/日 増客し採算を取る計画で考えています。しかし、車内も満員、道路も渋滞の中で乗客数を増やすのはかなり厳しい舵取りが求められます。
市営地下鉄は、1日あたり4,600万円の赤字と言われていた最悪の状況は脱し、平成27年にはじめて黒字転換し、平成28年には1日あたり400万円の黒字を計上するまでに改善しました。しかし、地下鉄も乗客数が横ばいであれば、車両や設備の更新によるコスト増で、市バスと同様に2021年に赤字転換し、2028年迄ずっと赤字が続く見込みです。また、市バスと違い、過去の借金が多額にあるため、返済資金を生み出す余裕がなく、累積金不足が増加し続けます(現在317億円、2028年824億円)。こちらも、393,000人/日の乗客数に20,000人/日 増客する計画です。地下鉄は、これでも累積資金不足が多額に残るので、市バスよりかなり苦しい財政状況です。
マイカーから公共交通への誘導、人口の維持、観光の推進、都市計画など様々な観点から対応が求められます。