京都市は、財政健全化計画として「京プラン後期実施計画」を掲げています。平成28年度より5ヵ年の中期財政収支見通しと財政健全化の道筋を示しています。

この中で、公共工事は概ね700億円に抑える旨が記載されており、その前提で財政再建を進めていくこととなっていました。しかし、南部クリーンセンター整備、京都市美術館整備、市役所庁舎整備、私立芸大移転、大型汎用コンピュータオープン化、複数の学校統合・学校新設、中央市場の整備など、大型工事の計画が目白押しです。

そこで、議会でも本当に700億円で収まるのかということが議論になり、当局に工事計画と照らし合わせた予算を確認したところ、驚くべき答弁でした。それは、「700億円というのは、それぞれの工事に掛かる支出を個別に見積もりしているわけではないですが、全体で700億円でコントロールします」というものでした。

それぞれの工事がいついくら掛かるかわからないのに、どうやって700億円でコントロールするんだということで、「しっかり個別の工事の金額を積み上げて金額を計算すること」を求めました。

その上で、平成30年度予算段階で、平成30年度870億円、平成31年度800億円、平成32年度740億円と、700億円を大きく上回り3年合計で300億円も増加しました。「京プラン後期実施樹計画」が示されてからわずか2年の間に、雪だるま式に膨らんだわけです。この点を、議会で指摘すると時間が経過して予期できない外部環境の変化があったとの答弁でした。

個別の工事の積み上げもせず、安易な予算編成をしていたことの弊害です。綱渡りの京都市財政でこんな安易な予算編成は到底容認できません。収入の範囲内、予算の範囲内で支出するという大原則を改めて求めていきたいと思います。