京都市の公共施設の大半で非常用発電機のメンテナンスで違反状態を放置していることがわかりました。市民生活の安心安全を守る立場として極めて問題です。

非常用発電機は、災害時に停電した際に、スプリンクラーや非常用消火栓、非常用電源、非常灯など人命に係わる設備に電気を供給する予備電源です。また、医療機関では、停電中も医療を継続するために欠かせません。一定規模以上の施設では、非常用発電機の設置が義務付けられています。しかし、阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震でも発動機が始動しないケースが多くありました。一部では発火したという事例も出ました。

その一因がメンテナンスの不備です。非常用発電機の点検は消防法により、年1回30%以上の負荷を掛けて行うことが義務付けられています。この30%以上の負荷というのは、自動車でいうところのエンジンの始動と停止だけの空ぶかしだけではなく、アクセルを踏み実際に走らせることを意味します。エンジンの空ぶかしや低い負荷での点検は、未燃焼燃料やカーボンが溜まり、故障や発火の原因になります。

一昨年頃から、全国的に官民問わず、この非常用発電機の法定点検が適正に行われていないことが問題視されるようになってきました。京都市でも、法定点検は施設側が実施し、消防局に報告をしなければいけません。しかし、消防局は違法状態の報告書をそのまま受け取っていることが調べでわかりました。さらに、京都市が所有する文化施設や区役所などの公共施設の大半が長期に渡って違法状態であることもわかりました。民間施設に法定点検をするように指導すべき立場である京都市が違法状態を放置しているのは大きな問題です。また、実際に災害が起こった際に重要な役割を果たすべき公共施設の安全が担保されていないというのは非常に怖いことです。

他都市も大阪市や仙台市、福島市など従前は違法状態だったことが発覚し、適切な対応をこの2年の間に行ってきています。京都市は、京都党を含め複数会派からこの問題の指摘をしましたが、30年度予算でも対応しないことがわかり、議会で厳しく追求しました。結果、近い時期に対応する旨の答弁を引き出しましたが、引き続き今後の動向をチェックして参りたいと思います。