京都市の中学校では、家庭でつくった弁当の持参と、給食(業者からのデリバリー弁当)のいずれかを自由に選択できる選択制給食が導入されています。しかし、昨今、全国的に全員制給食の導入が進み、政令指定都市では、概ね全員制給食となる見込みです。

これまで、京都市教育委員会は「給食と家庭弁当を自由に選択できるので、給食が良いご家庭は給食を選べる」「小学校のような全員制給食の導入には約170億円近い投資が掛かるため実施できない」と答弁を繰り返しています。

先ず、現状は給食が選択できるとしていますが、業者からのデリバリー弁当ですので、おかずも冷たく、小学校の給食とは大きく異なります。小中一貫校では、小学校の調理室が活用できるため、給食をそのまま中学校に提供できるのですが、保護者に意向を確認すると、それならば給食の方が良いという声が圧倒的に多く、実際に小学校と同様の給食が提供されています。

また、小中一貫校でない中学校は、調理設備がないため、これらを整備すると約170億円の費用が掛かります。これまでの議会での議論は、小学校のような給食というと、小中一貫校のように小学校の調理室を活用する「親子方式」か、中学校に独自の調理室を新設する「単独校調理方式」のどちらか、またはその両方の組み合わせの議論ばかりされます。これでは、議論は平行線のままです。

共産党から、京都党は「中学校の全員制給食の導入を発言するのに、請願には反対する」という指摘があるようですが、私たちは、とにかく導入ありきでコストが掛かっても構わないというスタンスに反対をしており、知恵と工夫で、コストも抑えながら子ども達に美味しい給食を提供できる環境づくりをすべきだと主張しているのです。

私たちが提案しているのは、「親子方式」と「民間業者を活用したセンター方式」の組み合わせです。小学校の調理室で余力のある分は、親子方式に活用し、小学校の調理室で賄えない分は、共同の調理室を民間委託で運営するのです。そうすれば、投資金額は大幅に抑えることができます。従前は、保温や輸送に課題がありましたが、昨今は「二重保温食缶(他都市で既に実用化)」という、料理用の大型魔法瓶のような器具があり、この問題も解決できます。

引き続き、中学校の全員制給食を現実的な方法で導入を提案して参ります。