京都市の人口は約147万人。「人口は出生数と死亡数の際による自然増減」と「転入転出の差異による社会増減」の2つがありますが、今回は転入転出による社会増減についてです。京都市の社会増減はほぼ横ばいの状況となっています。全国的には、東京圏に全国から一極集中するとともに、地方中核都市にも周辺地域から一極集中するのが傾向である。従って、政令指定都市は人口増の都市が多くなります。札幌市や仙台市、名古屋市、大阪市、福岡市など地方一番の大都市は人口が増え続けています。しかし、京都市や神戸市、北九州市など周辺により大きな大都市がある場合は、苦戦を強いられています。

 京都市の状況を分析すると、地域別では、九州地方、中四国地方、中部地方、京都府北部からは転入が多いのに対して、東京圏、大阪、滋賀、京都府南部には転出の方が多くなっています。年齢・世代別では、10代と20代前半が転入超過に対し、20代から30代までが転出超過になり、40代以上は転入がわずかに多いという状況です。

 10代と20代前半で転入超過となっているのは、人口の1割が大学生といわれる京都市の強みです。しかし、大学卒業後、東京圏と大阪に転出が極めて多いのは就職環境が一番の要因と思われます。そして、30代に入ると東京圏への転出が減り、大阪、滋賀、京都府南部への転出が増えます。これは、住宅購入や結婚・子育てを機に近隣自治体に転出していることが想像されます。京都市は東京圏からのUターンやIターンの獲得に躍起になっているのですが、京都党としては、せっかく大学で集まった若者たちを京都で就職・定住してもらえる施策を最優先に提言して参ります。