本日、京都党市議団と日本維新の会市議団の共同で、敬老乗車証の見直しに関する対案を提言しました。

京都市の「敬老乗車証」見直しに独自修正案 京都党と維新が提出 – 京都新聞

多くの反対の声が出ることは覚悟の上ですが、高齢者の皆様には、子ども料金でご利用いただくというのが基本的な考え方の対案です。

対象年齢は、75歳への引き上げは行わず、70歳据え置きにし、対象は広くご利用いただくことを継続します。

回数券の回数上限を増やし(京都市案の2倍)、生活スタイルに合わせて選択できます。

年間約30,000円というと高く感じますが、小学生の通学定期半年分がこの金額です。

 <京都市案の課題>

(1)基本的に現行の応能負担の考え方であり、応益負担への移行が感じられない。高齢者全員が必ず利用するものでなく、また利用頻度が大きく差異がある中、対象となる高齢者の個々人への税金投入額の格差があまり是正されない。

(2)改正後も生活保護世帯は負担ゼロのままであり、不公平感を助長させる。

(3)最大の利用者を見込む年間9,000円負担のグループで市税負担率が約4分の3となり補助率が高い。全体でも約7割補助となる。

(4)700万円以上の高所得者は対象外となり、また年間負担45,000円は一人当たり年間事業費(概ね交通事業者への支払い)約38,000円を超過している。交通事業者への支払いは基本的に昼間回数券定価で月に16回とし12ケ月分を支払うものであり、45,000円では、平均利用回数16回の利用者は敬老パスを利用するメリットがない。また、45,000円と38,000円の差額が京都市の利益となり、補助とならず逆転している。

(5)利用拡大策として新たに導入するバス敬老回数券は月に4回分(上限年間48回)しかなく、月に2往復しか使えない。

(6)対象年齢の70歳から75歳への引き上げにより約4万人が除外となる(交付率60%ベース)。本来の趣旨である社会参画や健康促進、また、車社会から脱却し公共交通重視とする流れへの阻害ともなる。

 <修正提案>

(1)対象年齢を現行の70歳以上のままする。

(2)子ども料金(小学生料金)を目安に利用者負担を設定。また、所得によらず 公平に負担を求める。

(3)バス敬老回数券を年間96回(尚、京都市案では年間48回)上限とし月に8回、概ね週に一度往復できる回数とする。(最大額面2万円、利用者負担1万円、尚、京都市案では最大額面1万円、利用者負担5千円)

(4)高頻度利用者には、年間29,440円(月当たり約2,453円)で敬老乗車証を交付。小学生のバス・地下鉄乗り継ぎ定期券(1区) 6ケ月が29,440円であり、その半額相当。

<修正提案による財政効果>

同じ交付率(60%)とした場合に約5億円(約2割程度)程度市税負担の減少が見込まれる。それを活かし、敬老乗車証のICカード化や子育て支援策の堅持等を検討すべきと考える。