本日、地域政党京都党市会議員団より、京都市に要望書を提出しました。

この間、多くの市民の皆様から寄せられたご意見やご要望をもとに取り纏め致しました。

1.感染拡大防止
2.市民生活と事業者の支援
3.子どもの教育・学習
4.感染拡大に伴う人権侵害の防止・家庭内虐待の防止
5.災害時における宿泊施設の提供に関する協定

引き続き、お気づきのことや、お困りのことがございましたら、ご連絡を頂けますと幸いです。

 

 

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新型コロナウイルス感染症対策における緊急要望

 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中、京都市においても陽性患者の病床数確保など喫緊の課題が出てきております。近隣の大阪府や兵庫県に緊急事態宣言が発令される中、京都も「緊急事態宣言に準ずる」ことを表明し、外出自粛要請を行うなど各所で懸命な対応にあたっていただき感謝申し上げます。

京都党市会議員団として、市民の皆様より頂戴しました様々なご意見をもとに、要望書をとりまとめました。特に力点を置いていただきたい内容を重点項目として掲げ、各テーマに記載致しております。

市長及び、担当局におかれましては、くれぐれも健康にご留意され、一丸となってこの厳しい局面を乗り越えるべく対策に努めて頂きますことを心よりお願い申し上げます。

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【重点項目】

・コロナウイルス感染症陽性患者受け入れ病床数については、京都府及び各医療機関と協議のうえ、早急に増やすべく必要な財政措置を行うこと。また、陽性患者の中には重症者も増えていることから、陰圧室設置へは助成も含め増室・設置を促すこと。

・検査機関を民間の医療機関に拡げることや新たに開発された検査キットを活用するなど検査体制の拡充を行うこと。

・市の相談センターへの電話相談は回線を増やし対応職員を増員して体制を強化すること。

・不要不急の外出自粛により経済への影響は大きい。特に打撃を受けている飲食店や宿泊事業者、サービス事業者を救済する対策として、ふるさと納税で、新型コロナウイルス感染症により売り上げが減少している事業者の返礼品を優先的に加えること。加えて、お食事券、宿泊券、サービス利用券という形で前売り券を返礼品に盛り込むこと。

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1 感染拡大防止対策

⑴ 感染拡大防止対策の強化

① 生活必需品を販売する食料品売り場やスーパー・コンビニ、医療施設、飲食店、交通機関、工場、金融機関、銭湯、理美容店、ネットカフェ等の利用においても最低限に控えるよう市民に要請すること。

② 町内会、自治会、マンション管理組合など地域の会合の自粛を要請すること。市政協力委員の業務を停止し、市民しんぶんの配布などは期間を限定して業者委託に切り替えるなどの対応をすること。また、こうした措置を周知すること。

③ 本市職員など、自治体職員が感染しないように、消毒と体調管理をしっかり行うこと。例えば、市役所各部署の入り口で、手をアルコール消毒する。職員、議員は毎朝検温し、37.5℃以上ある場合は登庁を控えて自宅で様子をみること。市会では、委員会室、本会議場入り口でのアルコール消毒を行い、議員団控え室でも入り口で消毒を行うこと。本市職員も、テレワークや時差出勤などを奨め、実践すること。

④ 学習塾、予備校の集団授業、個別指導、自習室での学習などが、映像・SNSを活用した代替策を講じる際には支援を行うこと。

 

⑵ 検査・相談体制の拡充強化

① 新型コロナウイルス対策関連で3月の相談件数は、1日平均200件に上り、そのうちの約7割が体調不良や検査の希望である。1日60件程度という現状の検査体制では増え続けている濃厚接触者や感染の可能性がある方への対応が充分にできない。検査機関を民間の医療機関に拡げることや新たに開発された検査キットを活用するなど検査体制の拡充を求める。

② 市の相談センターへの電話相談は、1週間で2000件を超えているので、回線を増やし対応職員を増員して体制を強化することを求める。医療崩壊を避けるためにも、新型コロナウイルスの相談目安を満たす方がより早く電話相談をすることが出来、新型コロナウイルスの相談目安を満たない方からの相談は窓口を別途設けることを求める。

③ 体調不良、発熱などの症状から感染を懸念した人が一般の医療機関を受診するケースが多いが、陽性の場合は医師、看護師、他の一般患者への感染を起こしてしまう。市民に対してどのように行動したら良いか、分かりやすくマニュアルを作成して周知すること。

 

⑶ 新型コロナ感染者のトリアージ及び重症患者の受入体制強化

① コロナウイルス感染症陽性患者受け入れ病床数については、京都府及び各医療機関と協議のうえ、早急に増やすべく必要な財政措置を行うこと。また、陽性患者の中には重症者も増えていることから、陰圧室設置へは助成も含め増室・設置を促すこと。

② 医療機関の限られた病床数を効果的に活用するためにも、陽性患者のうち、無症状及び軽症者が療養できる宿泊施設を本市独自でも早急に設置すること。また、その際は病院スタッフが適宜患者の見守りや対応に当たる必要があるため、医療スタッフにとって利便性の高い病院付近への設置を優先的に進めること。

 

2 市民生活と事業者の支援

外出を控える、営業を自粛する、休校により自宅学習となる、出勤せずテレワークになる…。市民生活は不便になり、事業者の経済的損失は深刻化している。こうした事態に対処して、市民の生活と企業や事業者の経営を支援する施策を講じることが必要である。

  • 不要不急の外出自粛により経済への影響は大きい。特に打撃を受けている飲食店や宿泊事業者、サービス事業者を救済する対策として、ふるさと納税で、新型コロナウイルス感染症により売り上げが減少している事業者の返礼品を優先的に加えること。加えて、お食事券、宿泊券、サービス利用券という形で前売り券を返礼品に盛り込むこと。
  • 国の緊急事態宣言を受け、事業の停止や大幅な縮小を行う事業者に対しては、京都府市及び保証協会の負担により、無利子・無保証料のセーフティーネット保証を提供すること。
  • 各種市税、各種保険料及び上下水道料金等の納付が困難な方の支払いの猶予は、手続きをなくし周知を徹底するために、全市民に一律で納付期限の延長を適用すること。とりわけ、固定資産税の一括納入期限は4月末日に迫っていることから、早急に納付期限の延長を行うこと。
  • 7都道府県会議で提案されている「テナント賃料3か月猶予制度」の創設を京都市としても国に要望すること。
  • 観光事業者等緊急支援補助金は開始から1日で予算分が全て利用されたことを踏まえ、対象業者や審査方法を再検討の上、追加で補正予算計上すること。
  • 大阪府では、大手の出前代行業者に依頼して出前を頼んだ府民に、ポイントを還元する仕組みを導入予定である。外出を自粛している人をサポートするとともに、外食産業の支援にもなる。京都市でも外食産業を支援する施策を行うことを求める。
  • 中小企業、個人事業者に対する支援策を説明する総合相談窓口を設置すること。
  • 京都市立の大学、高校の授業料減免措置を感染収束まで行うこと。併せて国公立及び府立大学対しても授業料減免措置の実施を国に要望すること。
  • 感染拡大の影響で職を失ったひとり親家庭の支援が必要である。任期付きの市職員と  して雇用するなどの支援策を講じることを求める。
  • 公立学校の休校に伴い、保護者の休暇取得や自宅勤務等が発生するため、事業者への  周知と労働者が柔軟な対応ができるよう、発行を求める労働者には、公文書としての協力要請を個別に発行すること。
  • 行政手続きの簡素化を進め、郵送による手続き、電子申請を拡大し、窓口での対面対  応を出来るだけ減らすこと。インターネットの事前申請により、窓口での待ち時間を減らすなどのサービス向上に努めること。

 

3 子どもの教育・学習

  • 感染拡大防止のための一斉休校に対して、保護者から児童・生徒の学力について心配の声が上がっている。今後の状況次第では一斉休校が長期化する可能性があることから、タブレットやパソコンを活用したオンライン授業の導入や、千葉市で取り組みが始まろうとしている「ドリルパーク(ネット環境がある家庭であれば活用できる、基礎基本を学ぶことのできるソフトウエア)」のような家庭内学習によって学力をつけることのできる環境整備を要望する。
  • 一斉休校によって学びの時間が減っているため、学校再開後の長期休み(夏休み・冬休み・春休み)については休校日数に応じて授業数の確保並びに学力担保の観点から短縮を要望する。

 

4 感染拡大に伴う人権侵害の防止、家庭内虐待の防止

  • 感染を疑われた人、陽性患者とその家族、濃厚接触者、所属している企業、団体、学校などへの差別・中傷が増えている。こうした行為を行わないように市がしっかり啓発するよう求める。また、市が様々な支援策を実施する際は、全ての市民を公平・平等に扱うように強く求める。
  • 自粛要請や家庭の経済的困窮に伴って家庭内のストレスのはけ口が立場の弱い女性やこどもに向けられることがあるため対策が必要である。DV相談・虐待相談ともにSNSによる相談窓口を設置し、いつでも外部へ相談できる体制づくりを行うこと。また、児童虐待防止については休校中の教員、休園中の保育士、および児童民生委員などによる子どもの見守りや電話連絡など子どもの置かれている状況の定期的な把握ができる体制づくりを行うこと。

 

5 災害時における宿泊施設の提供に関する協定

現在の状況で大規模災害が起これば、最悪の事態となり得る。多数の人が避難所に押し寄せ、感染者がいた場合避難所でクラスターが発生し、感染が急速に広まる恐れがある。前述でも記載の通り、宿泊施設で軽症者等の受け入れをしてもらえるよう協議を進めていくことと併せて「災害時における宿泊施設の提供に関する協定」も結ぶべきである。感染拡大が収まるまでの緊急的な措置として、早期に協定を締結することを求める。