令和7年度、臨時財政対策債(臨財債)の新規発行額が、制度創設以来初めてゼロとなりました。令和8年度もゼロとされており、四半世紀にわたって続いた「地方交付税の財源不足を自治体の借金で補う」仕組みが、ようやく解消されました。

 臨財債は、国の地方交付税原資が不足した際、本来は地方交付税として自治体に配分されるべき財源の一部を、自治体自身が地方債を発行して確保する制度です。2001年度に臨時的な措置として始ったが、長期にわたり継続してきました。

 制度上は、元本返済・利息支払い時には、国が地方交付税を通じて負担するので、実質的な自治体の負担はないという建付けになっています。しかし自治体から見れば、実際に借り入れ、返済し、残高を管理しなければならない債務です。

 しかも、地方交付税は内訳がわからず、かつ、地方交付税自体は減額され続けており、「本当に返済財源が十分に措置されているのか」疑わしい状態が恒常化していました。

 京都市でも、令和7年度決算時点で臨財債残高は約4,550億円に上ります。新規発行がなくなったことは前進ですが、過去に発行した債務の返済はこれからも続きます。

 国には、地方交付税の内訳と臨財債の償還財源をより見える形にし、自治体に実質的な負担や不安を残さない制度運営が求められます。