令和4年度の予算が公表されました。令和4年度予算は、財政破綻の危機を回避すべく行われる行財政改革計画の本格的な実施の1年目であり、今後の財政再建を占う試金石となるものです。

そんな中、門川市長が記者会見で「財政危機克服の見通したった」と発言しました。しかし、残念ながらまだまだ危機克服と言える状況ではありません。

図の「特別の財源対策」というのが実質的な赤字を指します。令和3年度予算で236億円だったものが、令和4年度は117億円と約半分まで下がったことを受けて発言したようです。しかし、これは、コロナ禍前の水準に戻ったに過ぎず、依然として100億円を超える巨額の赤字を垂れ流しています。

その後の中期的な財政収支見通しでも、歳出は現状の規模を維持しつつ、歳入は税収ベースで400億円もの増収を見込んでいます。

社会環境的に自然と増え続ける社会福祉経費を考慮しないといけないのですが、それを考慮したら、どの程度の他の歳出削減をすれば現状の歳出規模維持でいけるのかが、全く数字で示されていません。

また、歳入も400億円の税収増というのは、過去10年の税収増が150億円なので、かなり楽観的と言えます。議会答弁でも数字の根拠を聞くと、必要な財源から逆算しただけと答えるなど、かなり杜撰です。そして、減り続ける国からの地方交付税も考慮されていません。

前回の財政再建計画でも、門川市長は達成できなかった原因として、社会福祉経費の増大と地方交付税の削減が予想外に多かったと言っていたが、全く同じ轍を踏んでいるようにしか思えません。

予算議会でしっかりと指摘をし、市民生活への影響を最大限に配慮しながらの財政再建を議論して参ります。